午後3時に終わる予定の会議が20分ほど早めに終わった。「よし!これでキックオフには間に合わなくても前半から見られる。」新横浜ではのぞみの指定席が売り切れていた。「じゃ自由席で。」のぞみの自由席はわずか3両。席があるかどうか心配だったが、東京→新横浜だけの利用者が思いのほか多く、うまいこと席を確保することができた。運のいい日だと思った。
前節の岡山に代わって先発山口。これだけの情報を持って座席に着いたのは前半15分ぐらいだっただろうか。その時点で0-0。どちらもお互いを攻めあぐねているような気がした。これなら行けるか?しかし、連戦をずっと帯同してきたものの、出場時間がわずかでそれほど疲れてはいないはずの山口(左アタッカーの位置)が効いていないように見えるのが気になっていた。
後半開始早々、鈴木慎吾の言葉によれば「攻守の切り替えがうまくいかなかった」ことより、エリア内にDFが1人もいない状態になり、そこを突かれて失点。野澤が弾いた玉が転々とゴール内に入っていくという、何とも嫌な点の取られ方だった。
今年のセレッソは守備が堅い。J2時代には大分を守備のチームとして仕上げ、新潟に対して2勝2分けとして1年先にJ1に上げた小林監督の手腕により、「守りは薄くてももっと点を取る」というイメージだったセレッソが別のチームに変わってしまったようだった。昨季途中からセレッソの監督に就任、引きわけでも入れ替え戦という最終節で、大久保のPKで新潟を下した(もっとも、健太郎にあのハンドの判定はやや疑問だったが)。行きかがりだけかも知れないが、新潟にとっては相性の悪い監督だ。
先取点を取ったら引いてくる。大分時代の戦術と同じだ。アルビは懸命に攻めるが、中央では相手ボランチの位置で絡め取られ、サイドは山口が効かないために右偏重になり、その右の幸治郎は、ライン際の玉を不用意に外に出してしまったり1対1に負けたりの繰り返し。恐らく疲労によるものだったのだろう。
山口に代えて青野を入れたが、戦況はそれほど変わらず。前線のエジミウソンが見るからに疲労困憊で、ちょっとした玉への出足が遅く、ボールを持っても、何とか小技でマークを振り切ろうとするが出来ず玉を奪われる。
さすがに疲労の見えた桑原に代えて優作を入れ、寺川・青野ボランチの4-4-2に変更。優作はさすがに運動量があり、戦況やや盛り返したかに見えたが、パートナーのエジミウソンがこれではほとんど孤軍奮闘状態。この試合、セレッソのCKがやたらと多かったが、この段階で前線に残すのはエジミウソンよりも優作の方が良いと思ったぐらいだ。
幸治郎→岡山の交代もほとんど戦況に影響なし。ロスタイム3分が示されても、普段のアルビのように「最後の力を振り絞る」ような動きがほとんど見られない。バックスタンドで観ていた僕はそれを歯がゆく思ったが、J’sGoalの記事には「走りたくとも走れなかったように見えた」とあった。そうなのかも知れない。監督コメントにもそれが現れていた。
結局、見せ場らしい見せ場といえば、リマのFK、CKの他は、寺川のクロスバーに当たるミドルシュート(後半23分)と、ややジャストミートし損ねてGKにキャッチされた慎吾のミドルシュート(後半42分)ぐらいだったか。決定機は共に少なかったので、仮に引き分けなら「凡戦」とされたところだろう。それだけに、あの失点は勿体なかった。
平日とはいえ6000人あまりしか客のいない巨大スタジアムで、ほとんどワクワクさせられることもなく敗戦。僕は悔しがる気力も湧かないまま、深夜11時発の夜行高速バスで帰路に就いた。
何が「HOT6」だ。こんな双方バテバテの試合のどこが hot だと言うんだ? こんな厳しい日程を組むのなら、せめてホームとアウェーの数が均等になるようにしてもらいたい。他にもアルビと同様6戦中アウェーが4試合というチームはあるのだろうが、首都圏~近畿圏のチームなら、移動の厳しさはさほどでもないだろう。最後に大分戦があることもあって、移動距離はアルビレックスが最も長いのだそうだ。「Jリーグは新潟を潰す気か!?」なんて八つ当たりを言いたくなる。
次節は首位鹿島を破って調子を上げる名古屋。ただ、アルビには海本兄弟、岡山、山口と元名古屋の選手が4人もいる。慶治は市原戦でのねんざが全治3週間ということもあって出場は無理だろうが、残った3人には是非とも古巣への「恩返し」をしてもらいたい。
更には、前線のサブが優作一人ではリードされる展開になった場合苦しい。ファビーニョが出られないのだから、折角獲ったネットを使えばいい。他にも、末岡や河原といった人材をバテバテのメンバーに代えて入れてもおかしくないはずだ。この試合で青野を入れたのはその兆候だと前向きに考えたいところだが、とにかく反町監督は臆病すぎる。連戦前に言っていたように、本当に20人以上使ってもらいたい。
最後に、折角の名古屋戦なのに、安英学に会えないのは少し残念だ。