日本でアルビレックスの試合を観たのをきっかけに、アメリカでもサッカーみたいものだという気持ちが生まれました。たまたま、今住んでいるフィラデルフィアには、フィラデルフィア・ユニオン(Philadelphia Union)という Major League Soccer (MLS) のチームがあり、たまたまWebサイトを調べた日の週末(4月13日)にホームでの試合があるということで、家族を連れて観戦することにしました。
チケットは、4枚のファミリーセットで140ドル。本来は1枚40ドルのところ、1枚あたり5ドルの割引+Chick fill A というチキンのファストフードの無料券付きというものでした。どうも調べた限りでは子供料金というものはないようです。確保した席は、バックスタンドの最後列でした。ただし、更に後ろに恐らくVIP席と思われるものがありました。
ホームスタジアム PPL Park は2010年完成のサッカー専用スタジアムで、収容観客数は約19,000人です。この日は17,000人を超える客の入りで、感覚的には満員に近かったです。アメリカではサッカーは、野球・フットボール・バスケットボール・アイスホッケーに次ぐ5番目のプロスポーツなので、人気はどうなのかと思っていましたが、スタジアムの大きさが適度であることもあって十分に賑わっていました。
実はMLSの試合は、数年前にカンザスシティで、カンザスシティvsコロンバスを観たことがあります。当時のカンザスシティは自前のスタジアムがなく、フットボールのスタジアムを使っていたためもあってか、観客席が大きすぎてガラガラだった記憶があります。しかもピッチにはフットボール用のラインが引かれたままになった上からサッカー用にラインを引いてあったという有様。その後カンザスシティはカンザス州側に専用スタジアムを建てて Sporting Kansas City と改名、今季ここまで東地区首位と、強豪になっているようです。また、2005年に深澤が所属しているという理由で試合を観たモントリオールは、当時の United Soccer League (独立リーグ)から今はMLSに移り、これも現状、東地区3位と健闘しています。
因みに、フィラデルフィアは現状、東地区5位です。東地区は全10チーム、西地区は9チーム。リーグ戦後のプレーオフは、各地区から何と5位まで参加して10チームで争われるのだとか。
スタジアムの話に戻ると、これは、いわゆる「ホームG裏」です。裏をデラウェア川が流れているので、夏のナイトゲームの時など、気持が良さそうです。
因みに、「アウェーG裏」というものはなく、この写真の反対側は、メイン側・バック側とつながって一体化したスタンドになっています。アウェーサポはホームG裏の隣のバックスタンド寄りコーナー(写真手前)に“出島”のような場所があり、そこで応援するようになっていました。もっとも、今回の対戦相手はカナダのトロントと遠隔地なので、僕が見た限りでは、トロントのレプリカユニフォームを着ていた観客は5人でした。出島にいるそのほかの客がどちらを応援していたのかは不明です。
試合そのものについても書いておくべきですね。ただ、さすがに子連れでの観戦だと、飽きて色々いたずらを始める子供たちを抑えるのに忙しくて、なかなか集中して試合を観ることができません。僕らの席のすぐ前に、恐らくは何らかのサッカークラブに所属しているらしい小学生の女の子たちが陣取って騒いでいたのにも影響を受けました。僕は僕で、地元のよしみで一応フィラデルフィア寄りの気持で観ているものの、アルビレックスの試合を観るときのような強い気持はなく、ある意味では気楽に、野次馬的に楽しみました。
試合はラフプレーが多く、イエローカードが何と9枚も乱れ飛ぶ乱戦でした。そのせいもあってか、トロントの選手が前半7分で負傷交代。それに、言っちゃ悪いが、明らかにJリーグよりも技術は低く、パスがろくにつながらない。セットプレーも精度がとても悪い。見ていてフラストレーションが溜まりました。そういう“凡戦”のなか、後半36分に、トロントが裏への一発のロングパスを決めてそのまま得点。内容はともかく、点の取られ方だけは、開幕戦のアルビレックスと同じような感じでしたね。
しかしトロントは、後半43分に2枚目のイエローで1人退場(トロントは、9枚のうち6枚ものイエローカードを受けていました)。その後はフィラデルフィアが押せ押せになり、後半ロスタイムが5分と長かったこともあり、セットプレーからロスタイム3分に同点。オフサイドとファウルでゴールが2回認められなかった後だったこともあり、観客席は大変盛り上がりました。実際はロスタイム5分を明らかに超えて試合は続いたと思いますが、これはホームの雰囲気を重視したためでしょうか。でも、それもむなしく、引き分けに終わりました。
感想としては、盛り上がって良かったね、負けなくて良かったね、といったところ。本当は、回数は少なくてもいいからプレーで魅せて欲しかったんですけどねえ。
いい面もいくつか書いておきます。イエローカードは、誰に出たのかが、すぐに場内アナウンスされました。日本だと、場合によってはっきりしないこともありますよね。これは分かりやすくていいと思いました。それから、試合記録がこんな風に大変詳しく見られます。いや、これはJリーグでもどこかで見られるのかも知れないですが、僕は見たことないです。
僕だけが楽しんだのかと思ったら、相方も思いの外楽しんだ様子で、「また観に来よう」と言ってくれたので、今季あと1~2回は見に来る機会があるでしょう。その時はもっと、試合らしい試合をして欲しいなと思います。